命令教室

2日目の日記にも先生のことが書かれている。
きっとこの子は先生のことが大好きだったんだろう。
苦手な算数を教わりながら先生に甘えている様子が浮かんでくるようだ。


「苦手科目は算数か。歩と一緒だな」

「私は数学だもん」


言い返すと修は軽く笑い声を上げた。
算数と数学では天と地ほどの差があると思っているのだけれど、修からすればどんぐりの背比べなのかもしれない。

それにしても、ここに来てから久しぶりに修の笑い声を聞いた気がする。
私はつられて笑う。
日記を発見したことで少し前進した。
だから心に余裕が生まれたのかも知れない。