命令教室


あったのは最初からこの部屋にあったのだろう、布団と机だけだ。
個人を特定するようなものは、このノートしかない。


「きっと、この引き出しに入れてカギをかけたのは、この小学生の子なんだろうな。カギを見つけられないように机に下に隠したんだ」


誰にも見つけられないようにしたということだ。
それくらい大切なことがこのノートには記されている。
私はゴクリと唾を飲み込んでノートを見つめた。

名前が読めなくなってしまったその子のことを考えながら、ゆっくりとページを開く。
そこには日付と、ちょっとした出来事が記されていた。