ガチャッと音がして重たいカギが開く。
修が銀色のドアノブに手を伸ばして、それを勢いよく開いた。
奥に現れたのは前回みたのと同じ和室だった。
相変わらず中は埃っぽく、空気の流れと共に埃が外に舞出てくる。

修が自分の口に手を当てて何度か咳払いをした。
一歩部屋に足を踏み入れ、手探りで電気をつける。
天井のLEDライトがパッと周囲を照らし出す。


「和室か」


明るくなって初めて気がついたように修が呟く。
畳の色は古く、茶色くなっていてところどころが毛羽立っている。
その上には破れた御札が落ちていた。

初日に私達が破いてしまったものだ。
あのときは暗くて部屋の状態がよくわからなかったけれど、今ならしっかりと確認することができる。
部屋の奥、窓辺には机がひとつ置かれていて、入って右手には襖がある。