死闘、果てず/その4
夏美
私達13人は一路、火の玉川原へとバイクを疾走させた
もっとも、昨日の負傷を抱えてドッグスと戦ったあっこには、これ以上無理をさせたくなかったので、私の後ろに乗っけている
そして、午後7時30分過ぎ…
火の玉川原の入り口付近に着くと、1台のタクシーから誰か降りてきた…
「あれ、矢吹先輩じゃないか?」
「そうだ!矢吹補佐だよ…」
本田多美代と片山アカネがほぼ同時に気付いた
「矢吹先輩―!」
「…おお、みんな‼」
本田が声をかけて振り返ったのは、確かに鷹美だったよ!
「鷹美―!」
「先輩…!」
みんなバイクを降り、鷹美にかけ寄って行ってね…
...
「…鷹美!大丈夫だった…?あっこから話は聞いたわ」
「ええ、昨日やられた肩をまた痛めたみたいで…。テーピングで固めてきましたんで、なんとか大丈夫です。だいぶ遅れちゃいましたが…」
鷹美…!
何と痛々しい姿だよ…
「人数はこれだけですが、みな湯本先輩と心はひとつにして、一緒に来ました!」
「そう…。みんな、ご苦労様」
本田がそう言うと、鷹美は一人一人の顔を確かめていた
その表情は落ち着いたものだったが…
鷹美の心中…
おそらくは、悔しさで胸が焼け落ちる思いだろうよ…
...
「ああ、あっこ…」
「鷹美…。今、川原では横田競子が南玉入りを宣下して、たった一人で戦ってるそうだよ。私たちも急ごう…」
「そうなのか…。わかった」
鷹美もあっこも目はらんらんとしてる
だが、まさに二人は足を引きずらんばかりだ…
クソッ…‼
荒子は捕えられた上、主戦派の二人も連日のワナで体をボロボロにされたよ
本郷…、お前はなんという卑劣な手を下したんだ‼
...
「鷹美、私の後ろ乗って!」
「のん子、悪い…」
よし…、鷹美が加わって14人、それに川原で本郷と戦っているはずのケイコ…
正統南玉連合の魂は、この15人で死守するわ!
「さあ、ケイコが待ってるわ。行くわよ!」
私は先頭を切って、火の玉河原の現場へ突進した…
夏美
私達13人は一路、火の玉川原へとバイクを疾走させた
もっとも、昨日の負傷を抱えてドッグスと戦ったあっこには、これ以上無理をさせたくなかったので、私の後ろに乗っけている
そして、午後7時30分過ぎ…
火の玉川原の入り口付近に着くと、1台のタクシーから誰か降りてきた…
「あれ、矢吹先輩じゃないか?」
「そうだ!矢吹補佐だよ…」
本田多美代と片山アカネがほぼ同時に気付いた
「矢吹先輩―!」
「…おお、みんな‼」
本田が声をかけて振り返ったのは、確かに鷹美だったよ!
「鷹美―!」
「先輩…!」
みんなバイクを降り、鷹美にかけ寄って行ってね…
...
「…鷹美!大丈夫だった…?あっこから話は聞いたわ」
「ええ、昨日やられた肩をまた痛めたみたいで…。テーピングで固めてきましたんで、なんとか大丈夫です。だいぶ遅れちゃいましたが…」
鷹美…!
何と痛々しい姿だよ…
「人数はこれだけですが、みな湯本先輩と心はひとつにして、一緒に来ました!」
「そう…。みんな、ご苦労様」
本田がそう言うと、鷹美は一人一人の顔を確かめていた
その表情は落ち着いたものだったが…
鷹美の心中…
おそらくは、悔しさで胸が焼け落ちる思いだろうよ…
...
「ああ、あっこ…」
「鷹美…。今、川原では横田競子が南玉入りを宣下して、たった一人で戦ってるそうだよ。私たちも急ごう…」
「そうなのか…。わかった」
鷹美もあっこも目はらんらんとしてる
だが、まさに二人は足を引きずらんばかりだ…
クソッ…‼
荒子は捕えられた上、主戦派の二人も連日のワナで体をボロボロにされたよ
本郷…、お前はなんという卑劣な手を下したんだ‼
...
「鷹美、私の後ろ乗って!」
「のん子、悪い…」
よし…、鷹美が加わって14人、それに川原で本郷と戦っているはずのケイコ…
正統南玉連合の魂は、この15人で死守するわ!
「さあ、ケイコが待ってるわ。行くわよ!」
私は先頭を切って、火の玉河原の現場へ突進した…



