「失礼します。点滴変えますね」









そう言って入ってきたのは、
いつも優真先生の隣にいる看護師。










回診が終わって、
数時間ぐらいすると必ず点滴を変えにくる。












「……いつ…




















…死ねるのかな…」









「…え…?」








いつも話さない私が、
話したことに驚いているのか、











話した内容に驚いているのかは、分からない。











ただ、何も言わずに立ち尽くしていた。












「……何でもない…」





 
そう言って、私は布団に深く被りこんだ。










少しして、
看護師は何も言わずに病室を後にした。










困らせたな、
なんて少し申し訳なくなりつつ、
重たい瞼を閉じ、
私はそのまま意識を手放した。




















「雪乃ちゃん、退院おめでとう」














そう言う優真先生は笑顔で、
周りにいる看護師も笑顔で、
お母さんは、
泣きながら先生たちにお礼を言っていた。











「優真先生、ありがとう」











「おう。もう、戻ってくるなよ」








そう言う先生に、
笑顔で頷いて病院を後にする。