お母さんが、
目を覚ましたんだと思って、嬉しかった。
嬉しかったんだけど、
それは一瞬だけだった。
「…ごめんね、雪乃…。
…1人にして、ごめんね」
そう言うお母さんの言葉は、
まるで最後のように。
優しく微笑んで、
なのに、目から涙が溢れていて。
私はその時悟った。
もう、お母さんはダメなんだと。
「……嫌だよ…お母さん」
ギュッと手を握ると、
お母さんも握り返してくれた。
その手には温もりがあって、
いつも握ってくれていた時と同じだった。
なのに、最後なんだと言われているようで、
離れたくなかった。
なのに、私の身体は限界が近づいていた。
「…お母さん…
今まで……ありがとう……
…大好きだよ」
私がそう言うと、
お母さんは微笑んで言ったんだ。
「雪乃…生きて…ね。
…お母さんも………大好きだよ」
そう言って、お母さんはそっと目を閉じた。
その瞬間、
死を告げる心電図モニターが音を鳴らす。
そして、同時に私も足に力が入らずその場に崩れ落ちた。
「雪乃ちゃん!?
すぐにストレッチャー持ってきて」
「はい!」
院内が一気に騒がしくなる。

