ずっと、
“死にたい”と思って生きてきた。














でも、
雪斗くんはそんな人じゃないから。











毎日デビューに向けて必死に努力して、














辛くても負けずに頑張ってきたと思う。














私みたいに、逃げてばかりいる世界を







こんなにも頑張っている雪斗くんに、
見せられるのだろうか。






















できないよ。
















そんな無責任なこと、
私にはできるはずもなかった。



















「……雪乃。










僕は待つよ。











だから、ゆっくりでいい。










雪乃のペースでいいよ」












「………うん」









きっと、
私が何を思っていたのかは、
分かっていなかったと思う。













でも、
“言えない”という気持ちには、
気づいていたと思う。









だからといって、
それを無理に聞こうとしない。








そんな、
雪斗くんのそばにいるのが心地よかった。










今は、何も言えないし、





雪斗くんのためにできることなんて、
何もないと思う。












でも、少しでもそばにいたかった。











私が死ぬまででいいから、
隣にいてほしかった。










死ぬ直前までとは言わない。


















後、少し。



















もう少しでいいから。




















でも、できるなら、
雪斗くんがデビューした姿を














ステージに立っている姿を


















この目で見てみたかった。