あなたの世界にいた私








それから少しして、
廊下から看護師たちが話す声が聞こえてきた。
















「藍原雪乃さん、亡くなったんだって?」














「さっき息を引き取ったらしいよ」











「そう。


















…まだ若いのに」














「藍原さんの身体、
これから色々調べるみたいよ。










ご両親がいないでしょう。












だから、許可を取る人がいないから、
その話が進んでるらしいのよ」






















「…解剖するってこと?」


















“解剖”その言葉が聞こえた瞬間、
僕の周りの音は何も聞こえなくなった。





















信じられなかった。





















雪乃は、



















あれだけ頑張っていたのに、





















その命が尽きても、
まだ辛い思いをしないといけないのか。




















そんなことがあっていいのか。

















そう思った瞬間、
雪乃を失った悲しみから、怒りに変わった。