『皆さん、今日は楽しめましたか〜?』
そんな雪斗くんの声が聞こえて、
目を開けるとなぜか私は、
雪斗くんのライブ会場にいた。
私は周りと同じように、
ステージに目を向けた。
でも、なぜか私は、
ファンのみんなと雪斗くんがいるグループを
上から見下ろしていた。
そっか。
私は…
死んでしまったんだ。
悔しい。
あれだけ頑張ったのに、
結局何も結果が出なかった。
あれだけ、
雪斗くんに勇気をもらえたのに、
私は何も返せなかった。
そんな感情になったのと同時に、
どこかホッとしてしまう自分もいた。
もう、“死”の恐怖と戦わなくてもいい。
辛い思いをしなくてもいい。
これ以上、
私のせいで傷つく人が増えなくて済む。
そんな思いがあったからだった。
それに、
私はもう後悔することなんてないから。
ゆっくんにも会えて、
雪斗くんとも出会えて、
こうやって今、
雪斗くんの世界を
生で見ることができているのだから。
こんなにも幸せに包まれた“死”は、
私だけなんじゃないかと思うほど、
私は幸せだった。

