あなたの世界にいた私











でも、それと同時に、





















生きたいと泣きながら言った雪乃の表情。



















雪乃を助けてほしいと縋った、
雪斗くんの表情が脳裏に染み付いて、
離れなかった。




















自分は医者なのに、何も出来ない。












一番守りたかったはずの人を
目の前で弱っていく姿を
見ていることしかできない。






















正直辛かった。






















そして、何より辛くて、悲しかったのは、
つい最近、雪乃が言った言葉だった。



















”私の最後のわがままです”








と言う言葉を聞いた時、
雪乃は自分の“死”を
もう受け入れたみたいだった。
























仕方がない、




















これは、
生きながらに変えることのできない
運命なのだからと。
















そう言われたようだった。












流石に、俺もその時は泣いてしまった。
















そんな言葉を
言わせたことが申し訳なかったのか。















今までの悔しさ、
苦しさが溢れ出てしまったのか。













そんなことを思っていたけど、
そうじゃなかった。



















再会した時に、
もう二度と失いたくないと思っていたのに、

















何もできないまま、












また失うんじゃないか、





















二度と会えなくなるじゃないか、
と思うと怖かったからだ。



















そして、なにより、
























俺はまだ、雪乃のことが好きだった。
























その気持ちに気づいて、
余計に涙が止まらなかった。