そして、薬が全て入り終わる頃に、
先生と看護師が病室に入ってきた。
「雪乃ちゃん、体調はどう?
気持ち悪いとかない?」
「…大丈夫」
私がそう答えると、
先生は安心したように微笑んだ。
「これから、毎日薬を投与していくから、
また何かあったら教えて」
「…はい」
「じゃあ、また夜に来るね」
そう言って、
先生と看護師は病室を出て行った。
いつもと同じように来て、
いつもと同じように診察して、
いつもと同じように病室を出ていく。
でも、私がどんどん弱っていくにつれて、
先生はどこか苦しそうに見えた。
それで、私は思った。
「…誰でも…こんな姿見せられたら…
苦しいか…」
なんて呟いて自笑した。
先生はまだ若い。
私よりは年上だけど、
そこまで年も離れていなかった。
そして、先生は初めて担当患者を持ったのが、私だったと言っていた。
私が高校生に上がってすぐの時に、
担当医が変わって優真先生になった。
でも、その時はすでに、
私の感情に色はついていなかった。
だから、
何度も先生に当たって、
無視して、
今思えば、最低だったな、なんて思った。
ずっと前に思ってたみたいに、
最後は、先生に心からの
”ありがとう”を伝えたい。
治っても、
治らなくても、
きちんと感謝しよう。
そう心に決めて、瞼をそっと閉じた。

