いつもの長い時間はあっという間で、
時刻はもうすぐ17時を回ろうとしていた。
「そろそろ行こっか」
優真先生は、いつもの白衣ではなく、
コートを羽織っていた。
「……私、歩けるよ」
車椅子を持ってきた先生を置いて、
先に病室を出た。
「雪乃ちゃん、
何か体に異変を感じたらすぐに言って」
そう言って、先生も私の後をついてきた。
「……」
私は、ふと立ち止まる。
「…どうした?」
私が突然立ち止まったのを
不思議に思った先生は振り返った。
「…先生。
コート返す時、先生は車で待ってて」
「…分かった」
少し考えてから了承してくれた。
車を走らせて10分ぐらいして、
見えてきた公園。
「じゃあ、ここで待ってるから」
「うん、ありがとう」
そう言って、私は車から降りて、
前と同じベンチに座った。
人が来る気配は全くない。
でも、それは、前に来た時もそうだった。
辺りは薄暗くて、
全く人通りもなく、
私は一人だと思っていた。
なのに、彼は、突然現れた。
だから、きっとまた会える。
そう信じて私は、待ち続けた。

