「って、そんなことより、今度はこの問題。咲、解いてみ?」 「……これまた難しい問題を」 「大丈夫。わからなかったら、俺が教えてあげるから」 「うん、ありがとう。じゃなくて、咲がひとりで解かなくちゃ」 王子颯斗の指した問題を一生懸命解いていると、 「そういうところも、やっぱ可愛い」 そんな声が聞こえて、髪をすっと耳にかけられた。