放課後、


「水野さん、これあげる」


そう言って王子颯斗が、あたしの手になにかを握らせた。


こんなやりとりを、クラスの女子は見逃さなかった。


「え? なに? どうしたの?」


「王子くん、それなぁに?」


「咲ちゃん、なにをもらったの?」