「あー、水野さん、大丈夫だった?」


女子が咲に声をかけるよりも早く、王子颯斗のスッキリとした甘い声があたりに響いた。


こんのやろー。


わざと大きな声を出しやがって。


しかも、今、ちょっと甘い声を出したでしょー。


氷の王子のいつもとは違う声色に、女子がめちゃくちゃ騒がしくなった。