「先輩っ」


「もうこれで咲ちゃんは自由だから。好きな人に好きって言ってもだれも何も言わないよ」


そう言って先輩はにこっとまぶしい笑顔で笑ってくれた。


「今までありがとね。少しの間でも咲ちゃんの隣にいられて楽しかったよ」


「咲こそすみません。先輩の笑顔をうばってしまって」



「咲ちゃん。もう謝らなくてもいいよ。好きな人ができて咲ちゃんをフったのは僕だからね」


先輩がそう言ってくれたとき、ちょうど咲の家についた。