「それはどうかな。案外口からでまかせだったりして」


「先輩はそんな人じゃないよ」


「へぇ、椎名先輩かたを持つんだ」


「そういうつもりじゃないけど……」


沈黙がふたりを包みこむ。


その沈黙に耐えられなくて先に口を開いたのは咲だった。


「颯斗、最近図書室で勉強してから帰ってきてたの?」