「すごくいいお話があったのよ~。ママが行ってるお料理教室のね、ものすごく上品なセレブ感が漂うマダムにね、頼まれちゃったのよ~。咲があの名門進学校の絢音学園に通ってるって言ったら~」


ママはソファに腰掛けながら、顔の前で手をひらひら振った。


パタパタと駆け足で、急いで咲もソファに座る。


「え、お料理教室って、ママ。あそこはお月謝が高いからやめたいって言ってなかったっけ?」


「言ってたけど~。先生がイケメンすぎてやめられないよのね~」