「――で、咲、わかった?」 颯斗の部屋の中、机にうつ伏した咲の頭をちょんちょんと颯斗が2,3度つつく。 「おーい、咲ちゃん、聞こえてますか~?」 「聞こえてるって、うるさいなぁ」 ガバッと起き上がって、むぅっとしかめっ面をする。 「颯斗は数学が得意かもしれないけど、咲はとっても苦手なんです」 「知ってるよ、だから数学にしてんじゃん」