かっこいいやつはなんも書かれないという人がいる。かっこいいやつは採用されたり、入賞するどころか、なんか書くことすらないというのだ。
 信じられなかった。採用されたり、入賞することなかったら、ただ書いているだけの負け組だった。ただ書いているだけでは負け組だった。
 彼らは採用されることも入賞することもなくただ書くだけのことにこだわっているのだ。
 人を恥ずかしめるような言動。
 かっこいいやつが主体ではなく、客体であるとするのならば、何か書くのは主体だから、かっこいいやつが何もかかれないのは当然といえる。
 自分をかっこいいやつというやつを受け付けないものとする、と意思表示をしたい。
 よって、著者がやっていることと逆のことを言っているのだ。
 話者がそういうまで、話者が言わんとするところの「かっこいいやつ」という意識はなかったと意思表示をしたい。

 「かっこいいやつはそんなにかかん」というやつがいる。一体どういうわけか。けむに巻かれる感じである。

 「かっこいいやつはなんもかかん」というやつがある。

 「かっこいい男は何も書かれない」というやつがいる。

 「あんなかっこいいやつが書くんやなあ」というやつがいる。個別から全体を導き出す、早まった一般化行為。