二人は、共通の大学の知人の話、卒業後の仕事のことなど話して酒を飲み、一通り食事が終わりかけた。 「それで、君の提案だが、ウチの上層部は賛成と反対が半々だな」 「ふーん。それはどうして?」 「まあ、スポンサーに演奏活動をああしろあこうしろと指図されるのが嫌だという人もいる。以前、曲名を指定されたなど色々あったようだ」 「……なるほど。まあ、想定内だ」 「まあ、俺は賛成だ。俺が代表なら自分で営業するくらいだよ、お前の所に乗り込んで……」 黎は笑い出した。さすが、神楽。