ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない


 「起きられたら、行こうな」

 小さい声で彼女に聞こえないように呟く黎の顔は、悪いことを考えているような子供のような顔だった。

 そして、彼女は彼の策略によりまたもや出かけることができない時間になってしまい、大げんか。

 帰ってきた両親達は何事かと呆れる始末。
 
 二人の間に生まれた男の子は、勝手な親に振り回され、それでも周囲の手助けを受けながら健気に大きくなっていった。
 
 そして、黎が堂本コーポレーションの敏腕社長として名を馳せるようになってからも、百合への盲愛は褪せることがなかった……冷徹社長の唯一の弱点は妻だと陰口を言われるくらい有名な話になったのである。


 fin.