「確かに、静香にはぬいぐるみがいいだろうな。あ、そういえば静香のやつ、神楽に懸想してるんだよ。どうしたら付き合えるか教えろとか言ってきたぞ」
百合はにっこり笑った。
「やっぱりね。そうじゃないかと思ってた。神楽さんもまんざらじゃないと思うけどな。会う機会を私を使って増やしてあげましょう」
「そうだな。神楽も蓮見商事の社長令嬢とくっついたら、独立するはずが、もしかすると蓮見商事に入れられたりするかもしれないな。蓮見のおじさんは広也だけじゃなくて、若い有能な人材を求めてるから」
「それは、ないんじゃない。神楽さんは音楽が好きなんだと思うわ。私も彼がいないと困るし……」
「何だと?!」
「……もう。だから、ピアノのお仕事の時は神楽さんに色々マネージングしてもらった方がやりやすいでしょ。それ以外は黎だけよ」



