ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない


 「……もう、知りません。そういうことばっかり言って。こんなにしつこい人だとは思わなかったわ。もう、嫌いよ」

 「そう?なら、契約に戻る?」

 百合は黎をじっと見てつぶやいた。

 「意地悪。本当に、意地悪よね。黎っていじめっ子だったでしょ。前から私のこといじめるもの」

 「当たり前だ。百合をいじめていいのは俺だけだ。いじめるだけじゃなくて、可愛がってやってるだろ?まだ、足りないのか?」

 そう言って、抱き寄せるとキスをした。
 黎の手がビキニの胸元で不埒なまねをし出して、百合は彼の手をつねった。

 「こらっ!もうおしまいよ。黎ったら、お昼間からダメ」