「……百合さん」 要が百合をじっと見つめた。 「はい」 「君が自分を抑えて堂本のために尽くそうとしてくれる気持ちは嬉しいし、評価していた。ただ、君自身の人生が黎と一緒になることで思うようにいかなくなるだろうから、それを懸念していたんだよ。悪く思わないでくれ」 「わかっています」 「父さん!」 要は手を上げて、黎の言葉を遮った。そして、紗江子を見た。 「紗江子。お前の代わりに彼女を社交の場へ出そうとしていたんだが、日本へ戻ってこられそうか?具合はどうなんだ」