ノックの音がして、母が姿を見せた。
「その通りよ、黎。くだらない理由であなたたちを追い詰める周りこそ、恥じ入るべきよ。ねえ、あなた……」
そう言って、紗江子が後ろを振り向くと彼女の夫が苦々しげな顔をして立っていた。
「母さん、父さん……さっきはありがとう」
百合は立ち上がって紗江子へ頭を下げた。
「お母様。本当にありがとうございました。嬉しかったです」
そう言ってまた、声を震わせた。黎は百合の隣へ座った。
紗江子は入ってきて二人の正面のソファへ腰掛けた。要も入ってきて、紗江子の隣へ座った。
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