「おい、紗江子、こんなとこで何を……」
紗江子は奈津にうなずくと、先導させ後ろを歩き出した。急にどこへ行くのかと思いきや、女性達が大勢集まっているテーブルだ。
黎と父は彼女について行く。後ろから百合と静香達も付いてきた。紗江子に気がついた女性達がざわざわし出した。長い間いなかった、この堂本コーポレーションの女主人が現れたのだ。
「皆さん。本日はお忙しい中、我が息子のためにお集まり頂きありがとうございました。また、海外におりましたので、すべきことを皆様方にお任せしており、大変ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした」
そう言うと、頭を下げて会釈をした。顔を上げると周りの女性陣を紗江子はなめるように見た。彼女達は一様に静かになって、話す紗江子を見ている。
「ここにいる百合は、今後私と共に財界のお仕事をさせて頂きます。どうかよろしくお願いします。それと、先ほど少し聞こえましたが、娘となった彼女のことで何か言いたいことがおありでしたら、主人か私に直接言って下さい。至らないところは私達から指導します」



