「百合さん。友人の森本さやかと鈴原茜よ。彼女達も社長令嬢。あなたが出る女性だけの社交のパーティには誰かが一緒に出席できるように黎が手を回すらしいから、とりあえず一緒にいれば色々教えて上げたり、陰口言うやつらをやっつけてあげるわ」

 静香が偉そうに手を腰に当てて話す。百合はおかしくて笑いそうになってしまった。この静香さんという人はとても面白い人で、会うのは三回目なのだが、素直というか、とても正直ではっきりと話す。最初はそれをきつい人なのかと勘違いしていたがそうではなかった。黎に対しても、異性というよりも、友人か兄弟のような接し方をするというのがわかってきた。

 お友達のふたりと挨拶を交わす。茜とさやかが笑いながら話した。

 「黎さんから頼み事されたの初めてでおかしかったわ。静香と一緒に黎さんと話していても、正直なところ、女として意識してくれている素振りは全くなかった。だから、当たり障りなく付き合ってきたけど、今回のことで黎さんの本気はよーくわかった」