百合は嬉しくて涙が出た。黎からその言葉をもらえただけで、母はどれだけ嬉しかろう。母のことで色々あった。だが、百合を慈しんでくれたのは他でもないその母だけだった。
「嬉しい。ありがとう。いつでもいいわ」
「お披露目のあさっての朝でもいいかな?墓地はどこ?お披露目が午後からだし、間に合うなら……」
「大丈夫よ。間に合うわ。都内の墓地だから……」
「じゃあ、行こう。百合のお母さんって綺麗な人だったんだろ?君を見れば分かるよ」
「そうね。とても綺麗だったみたい。私と暮らしていたときは地味にしていたし、苦労していたから着飾ったところなんて見たことなかった。昔の写真を見たときは驚いた。仕事柄綺麗にはしていたんでしょうけどそれでも……」
百合は声を詰まらせた。黎は百合にとって母親がどれだけ大事な人なのかわかった。



