「なんでそんなに従順なんだ?最近の百合はわがままを言わなすぎて心配になる」
「だって、黎に私を見捨てないでいてもらわないとひとりぼっちになってしまう」
「百合。ひとりぼっちって何だ?また、変なこと考えているんだろ?ひとりぼっちになるはずがない。百合には俺がいるだろ。君を手放すことなどない。さっきも言っただろ。百合は俺の横でただ笑っていればいい」
頬を撫でるとにっこり笑った。だがすぐに身体を黎に預けじっとしている。安心させるようにぎゅっと抱いてやる。
結婚してから忙しくあまり彼女と話が出来ていなかった。不安を取り除くことも出来ていないのだろうと黎は痛感した。
「百合。お母さんのお墓へ挨拶に行きたいんだ。連れて行ってくれないか?」
「え?」
「遅くなってごめん。もっと早く行きたかったんだが、結婚のお許しをお母さんにもらいたいんだ」



