「百合。無理しなくていいんだ。俺がいないときに何かあれば柿崎や奈津に相談してもいいからな」

 「はい」

 「あの二人には話したのか」

 「はい。母さんにも最初は奈津から話してもらいました」

 「……そうか」

 要は妻を思い出して無口になった。妻はこのことをどう思っているのだろうと今更ながら考えたのだった。