百合は悲しげな彼の目を見て、叫んだ。
「そんなことない!信用とかじゃない……だって、私との未来が描ける?無理でしょ?」
黎は暗がりで目を光らせて答えた。
「……前にも言ったが、親に反対されるような悪いことをしているわけではない。了承が必要な訳でもない」
「嘘よ。神楽さんや父も言っていた。黎のお父様が私とのことを反対されている、と。だからこそ、支援事業も打ち切られた。私との関係を絶ちたがっているって。私のせいであなたの立場がおかしくなって、お父様ともうまくいかなくなったりしたら嫌なの」
黎は遮るように話した。
「余計な心配だ!俺のことは俺がやる。どうして、そうやって周りの顔色をうかがっているんだ?俺と離れられるのか、え、百合?」



