ぎゅっと抱き合ってそのまま黎が覆い被さった。 「それなら、このままふたりでどこかに逃げるか?百合とふたりなら逃げてもいいぞ」 百合の素肌を撫でながら、耳元で囁く。 「そうね。あなたとならどこでも行けるわ。黎、大好きよ、愛してしまったの……ごめんなさい」 黎は目をむいて百合をなじる。 「何で謝っているんだ。俺を好きになったのは間違いか?」 「そうね。わかっていたのに、愛してしまった。後戻り出来ないところまで……でも……」 黎はキスをして口を塞いだ。