小さい声で上目遣いに聞いてくる。黎は手で顔を覆って、上を向いた。 「はー。すごい威力。その下から見るの俺以外にするなよ」 黎は彼女の腰のうしろに両手を組んで自分へ引き寄せた。 「お兄さんだけど、恋人になったんだ。呼び捨てしていいよ」 「……恋人なの?」 黎は笑い出した。 「恋人じゃなければ、なんだい?君にとって俺は特別な人で好きな人なんだろ。そういうのを恋人っていうんだよ」 「……だって。私と黎さんとじゃ、釣り合わない。黎さんは大きな会社の御曹司なんでしょ?私は……」