とある昼休み、体育館、卓球台にて。



「どりゃー、はげ吉崎ー!」
カコーンと涼子のスマッシュがきまる。


「セクハラ吉崎ー!」
カーン、と春子のドライブ。



「うざいんじゃ、こそこそ話してんじゃねー、女子」
カコーン



「敬語使うな、男子ー」
カーン





さて、これが卓球部を選んだ答え。



昼休みに卓球でストレス発散。



成績発表後、二人は男子から、そして男性教師達からも注目を集めた。



はげ、デブ、の担任吉崎などは、大人しい春子にそれとなくボディタッチもする。



その度に
「死ねばいいのに。」
と言ってくれる涼子が、春子には救いだった。



涼子と春子はソトヅラが良い。



それは計算である。



男子などは、朝から並んで二人に挨拶する。



「おはようございます、一ノ宮さん、仲間さん!!」


二人はにっこり笑って手を振り、後で笑いあうのだった。



「敬語使うとか…アホっぽい」

と春子。



「そうかなー、私は意外と快感だけど」

涼子、腹黒い女である。



「しっかし」
カコーン
「卓球部にして正解」
涼子。渾身のスマッシュ



「ぎゃっ!!」



春子のおでこにヒット!



「ねぇ、私全然ストレス発散できてないんですけどー。」



卓球部を選んだ涼子は、顧問の先生を手玉に取り、昼休みに体育館を貸し切りにする。



そしていつも春子を誘って打ち合いながら、愚痴を言い合うのであった。



「あーあ、こんな姿見たら、みんなどん引きなんだろーなー」



春子は、そうは言うが、学校生活の中で、この昼休みが何よりの楽しみなのだった。