何故、地味な卓球部を涼子が選んだのか。



その答えは一学期中間テスト成績発表後で判明することになる。





我が鴨中学は成績が一位から十位までズラッと張り出される。






一位 一ノ宮 涼子
二位 一ノ瀬 咲矢
三位 仲間 春子


以外略


この張り出しによって、涼子だけではなく、いつもその隣にいた大人しく目立たない春子までもが一気に注目されることになった。



「やっぱり」

と涼子は言った。


「何が」


と春子。


「あんた、頭いいオーラ出てるもん」


「はぁ!?涼子、あんた何者だよ。」



と、まあ終始こんな感じのアホっぽい二人の会話ではあるが…



涼子は美人の上に頭もよく、天才肌



春子は、よーく見るとかわいらしく、学年三位をとる程の努力家なのだった。



「はぁー、一ノ瀬くんてまじイケメン。しかも頭もいいなんて」

と春子。


「えー、あいつ絶対性格悪いし。いっつもさわやかでさぁ、なんかむかつく」


「涼子、あんた一ノ瀬くんより頭いーからって、彼の事言いたい放題…、ん、まあでもたしかにうさんくさい笑顔か」



「春子…、あんたほんとに一ノ瀬好きか?」


ひきつり笑いの涼子であった。