1番最後にお線香をあげたお父さん

遺影を見上げ

「わたる…お疲れ」


一言だけお兄ちゃんに話し掛けた

―――お兄ちゃん良かったね
家族みんなで見送れるよ
お母さんとお父さん来たよ
本当に良かった




お兄ちゃんきっとめちゃめちゃ喜んでるよね


お兄ちゃんの死に顔
すんごく幸せそうだよ。


私達家族3人は
お兄ちゃんが好きな青の色の花を顔のそばに3りん添えた

3人とも心に思った事は同じだと思う

「大好きだよ」



全てが終わり
私達はおじいちゃんの側に行った
お葬式の準備を進めてくれたのはおじいちゃんだったから


「ありがとうございます、
ご迷惑をおかけしました」

3人で頭を下げた

「良いんだよ。
そんな事よりみんな揃って葬儀に参列してくれた事が何より私は嬉しいよ。
わたるには何度か会ってたんだけど
よく家族の話しをしてくれてね。
さくらは元気そうだとか
父さんと母さんは元気なのか心配だとか。

1番最近なんて

贈り主じいちゃんという事にして家族に温泉旅行のチケットを送っても良いか?
なんて私に聞いて来たんだよ。
もちろん良いって言ったんだけどその前に亡くなっちゃってね。
何より家族の事を思ってたんだよ、
わたるには口止めさせられてたけど
その事だけは分かって欲しい」


おじいちゃんの話しを聞き終えた私達は
みんな涙を流していた

もしかしたらお父さんが1番泣いていたかもしれない


ゴメンね
お兄ちゃん
ずっと
大好きだよ