店長の家から
自宅に帰ってすぐ
店長に電話した


その時の会話が
グルグルグルグルと
蘇る


「もしもしさくらちゃん?」

「今日はありがとうございました。」

「ゴメンね、次はもっとゆっくり泊まり来てな」

「……店長には…もう会えません」

「………え?なんてゆうた?」

「今までありがとうございました」

「待てよ、嘘やろ」

「私が悪いんです」

「…じゃあ……別れるわ」

「……はい本当ありがとうございました、楽しかったです」

「そうやない。離婚する」

「……え?」

「こんな風にやなくて、ちゃんと付き合うから」

「……そんな事」

「ホンマ…家族よりさくらが大切やねん」

「……そんな事…望んでない」

「…何でなん!?俺はお前と居たいねん!」

「…店長は家族を大切にして…………さよなら」



店長の声が
すぐ近くで
聞こえる様な感覚

ズキズキと
心が痛む



離婚する
って言われて
少し喜んだ自分がいたんだ


でもそれで


“ありがとう”
って言って
私が幸せになるのは
反則だ。


“さよなら”

これが正解だ。


家族想いの
店長を好きになって

その家族から
店長を奪って。

私は