「…なんで入ろうと思ったの?」
 母は私に聞いてきた。
「…先輩たちが輝いていたから。もし、私が出来なくてもやりたいと思えたんだ」
「…栞がやりたいようにやってみたら」
 母は立ってから両ひざを曲げて、満面な笑みで私に言った。
「だな、お母さんの言うとおりだ。やってみて、今後どうするのか決めればいいしな」
 父もソファーに座っていたが、私の元へきて、私を応援する言葉をくれた。
 私は両親に宣言した後、部屋に戻り、入部届に卓球部と鉛筆で書いた。
 ここから、私の卓球部生活が始まった。