「ガールズピンポン！」

　部長は話を無視して、次の三年生のメンバーを紹介した。
「小早川美央（こばやかわみお）です。この人たちのことは気にしなくて大丈夫です」
　美央先輩はふたりに指をさして、真顔で言った。
「美央。なに、私たちの間に入れなくて、すねたの？」
　部長は口を開けたまま、美央に言い放つ。
「……いや、そんなんじゃないから…」
　美央先輩は口をふくらませて、二人に言う。
　部長と類先輩は美央先輩の所に来て、抱きしめていた。
「はい、はいはい～」
　先生は三年生の先輩たちの間に立って、止めた。
「恒例の三年生の行動だから。三人になると、一日一回はやるんだ」
　類先輩はピースして、私たちに言った。二年生は、またやっていると笑っていた。
「卓球部メンバーを全員紹介できたことだし。一年生、これからよろしく。早速ラケット決めてもらうから、こっちに来て。他の人たちはいつものように練習して」
　先生は両手を叩いて、先生の言った指示を受け取り、先輩たちは各自練習をし始めた。
　二・三年生は話をして、練習試合相手を決めていた。
「これは見本のラケット。ラケットにはペン型とシェイク型二つある。少し触ってみて」
　先生はそう言うと、右にいた夏海がペン型のラケットを持ち、感触を確かめていた。
　隣にいたさあやもなるほどという顔で触っていた。私の番になり、触った
「んで、シェイク型はこれ。はい」
　ペン型のラケットを触ってから、シェイク型のラケットを触って、確認した。
「自分で触ってみて、最初どっちがやりやすかった？　その時の感覚で分かると思うから」
　先生は右手を腰に当て、私たちの様子を見て言った。
「そうですね、私はシェイクがいいと思いました」
　江口桃は先生が持っているシェイク型のラケットを見ながら、声を出した。
　他の一年生もシェイク型のラケットを答えていた。私だけ違かかった。