「花村くん、さっきはありがとう」 「え? 何が?」 「音読の場所、教えてくれて」 「えー、全然。それに、柚原がいつもおれにやってくれてることだよ」 「いやいや、それはいいの」 「ううん。おれのほうこそ、ありがとう」 ふわふわ〜と、花村くんの周りにお花が見える気がする。笑った顔はやっぱり、春の日差しみたいに暖かい。 きゅん、が毎日蓄積されていくから。ぎゅん、を通り越して、最近は心臓が苦しい気がする。 だけど苦しい理由は、それだけではない。