「次の次、音読当たるよ」
そして現国の時間。いつも通り花村くんは寝ていて。もう少しだけ寝顔を眺めていたいところだけれど、野田くんの前まで順番が来ているので、腕をつついて起こした。
「ん……、ありがと柚原」
さっきとは違って、柔らかい笑顔。これもまたいつも通り、堪らなくきゅんとする。
そして順番が来て、花村くんが音読を始めた。容姿ももちろん好きだけど、声も好きだったりする。高すぎず低すぎず、心地よい声が鼓膜を震わすから、つい聴き惚れてしまう。
だから現国の音読タイムは、密かに楽しみにしているのだ。
「はい、じゃあ次柚原さん」
「、あっ、はい……」
だけどここで先生から急に名前を呼ばれて、ドキリとする。や、やばい。文章を目で追うのをすっかり忘れていた。


