花村くんが眠るのは




「で、でも……見たもん、この前」

「見たって、何を?」

「……花村くんが校門のところで、他の学校の女の子と腕組んでたの」



すると花村くんは少しだけ考える素振りを見せて、それからすぐにくすりと笑った。

「あー、あれね」と、また瞳を覗き込まれる。



「あれ、って……」

「あれ、妹」

「……え?」

朝陽(あさひ)っていうんだけど。おれの1個下の妹」

「……え、えぇ!? 妹さん……!?」



そんなの、少しも予想していなかったから。びっくりして、思わずいつもよりも大きな声が出てしまった。

そしてそれと同時に、一気にほっとする。


そっか……妹さん、だったんだ。