花村くんが眠るのは




花村くんは、ほわほわしていて、ふわふわしていて。例えるならば春みたいだ。暖かい、春の昼間みたいなひとだ。



『……あ、隣、よろしくね』

『うん。よろしくね、柚原さん』

『えっ、名前……』

『座席表に書いてあったから。柚原(ゆずはら) ももさん。なんか、すごい美味しそうな名前』



クラス替え。席に着いて、初めての会話。ふわりと笑った顔に、心臓が射抜かれた感覚がして。

一瞬で、恋に落ちてしまった。


あの日のことは、数ヶ月経った今でも昨日のことみたいに思い出せてしまう。そしてまだ、ドキドキと胸を鳴らしてしまう。


はぁ、このままずっとずっと、隣の席だったらいいのにな。