なんで……なんで? 小さく深呼吸をして、一時だけでも落ち着かせる。それにしても、なーにって、ずるいなあ。さっき自分で言っていたのに。 だけど花村くんは私の言葉を待っているみたいに視線を逸らさないから。 答えを返すしか、ない。 「私のこと……」 「うん?」 「か……かわ……」 「うん」 「かわ……、」 「ん、かわいい」 「っ、」 柔らかくて甘い。その笑った顔が、私にだけ向けられている。 再び花村くんの口からそんなことを言われてしまえば、もう心臓を撃たれたのと同じだ。