「寝てたらさ、隣からつんつんってされてさ。そしたら柚原が、『次の次、当てられると思うよ』って。そのおかげで、怒られずに済んで助かった。で、その時に思ったの。優しい子なんだなあって。ほら、普通ならほっとくでしょ?」
「そう……かな」
「しかも、どこが当たるかまで教えてくれてさ」
「懐かしい」と、花村くんが口にする。たしかに懐かしい。まだ数ヶ月しか経っていないのに、もうすごく前のことのように感じてしまう。
「でも、別の授業でまた寝ちゃったの、おれ。そしたら次も柚原、おんなじように起こしてくれて。それで、うん」
「うん……?」
「おれが目を覚まして目が合った時、すごいほっとしたような顔したんだよね、柚原」
「う、ん」
「それがさ、なんか、かわいいなって」
「っえ、」
「またその顔が見たくて。だからおれ、」
「ちょ、……っと待って、え……」
理解が追いつかなくなって、花村くんの言葉を止めた。それでも全然、わかりそうにない。
花村くんは、いま、なんて……?


