「えっと、うん」
「うん……なんでしょう」
「柚原さ、授業中おれのこと、起こしてくれてたでしょ?」
「う、うん……」
え……なんだろう。
もしかして、迷惑だったとか? 起こしてんじゃねえよって? 謝罪するのはお前だよって?
えぇ……それしか思い浮かばない。
バックンバックンと、心臓がまた大きく鳴る。
次にくれる言葉は一体なんだろう。でももうなんて言われても、受け止めるしかない。
花村くんが口を開いて、そこから言葉が放たれるまでの一瞬が、とても長く思えた。
「あれね」
「うん……」
「嘘なの」
「うん…………え?」
え? え、なんだ、今、嘘……って言った?
それはつまり、どういう意味……。
「寝てないの、おれ」
「えっ?」
「寝たフリしてたの」
え……っと、寝たフリ?
「ごめんね」と、色素の薄い瞳に覗き込まれる。だけどその目を見ても、全然頭が追いつかない。


