花村くんが眠るのは




言われた通りにそこに座れば、花村くんもその隣の席に座って。

席替えをする前の、名前順の席。今だけ、隣同士に戻る。



「隣、なれなかったね」

「え、あ……うん……そうだね」

「そういえば体調、大丈夫なの?」

「うん、すっかり治ったよ」

「そっか。よかった」



花村くんの隣で受ける最後の授業は、私の体調不良によって意識せず終わってしまった。こんなことになるならもっと、普段から噛み締めておけばよかったなあ……って、それはちょっとさすがに気持ち悪いか。これは胸の中だけに留めておこう。


ていうか、そんなことよりも。



「花村くん」

「ん?」

「その……謝りたいことって?」

「あー、うん、そう、それね」



「何から話そう」と、ゆったりと考えている花村くんとは対照的に、私の心臓はバクバクしている。だってわざわざ謝りたいって、そんな重大な何かがあったっけと、気になって仕方ない。