「庭師にですか?」
朝の支度の最中、髪の毛を整えてくれていたローサが一時手を止めた。
「そう、メリーと一緒にお花のお礼をしに行きたいなと思って。それで、アマリーに案内をお願いしたいんだけど」
アマリーは今日もこの部屋にたくさんのお花を持ってきてくれて、メリーは先ほどからそれを美味しそうに食んでいる。
すると背後にいたアマリーが鏡越しに力強く頷いてくれた。
「私でよろしければご案内いたします!」
「ありがとう。行けそうな時間がわかったらまた声をかけるね」
「はい! 私はいつでも。庭師にも伝えておきます」
この後セレストさんから今日のスケジュールが聞けるだろう。それで空き時間がわかるはずだ。
(セレストさんにも今日はちゃんとお礼言わなきゃ)
――そのチャンスは、その後すぐに訪れた。



