「はっ、……あっ」

 やっと解放されたと思ったら、首筋にキスを落とされて思わず変な声が漏れてしまった。
 その声に自分で驚いて、見ればリューも目を丸くしていて、かぁーっとどうしようもなく顔が熱くなる。

「コハル、」
「い、今のは、違います!」

 何が違うのか自分でもわからないまま大きな声で否定する。

「可愛すぎるだろう!」
「はぁ!?」

 そうしてぎゅーっと抱きしめてきた彼は私の耳元で甘く囁いた。

「もっと聞かせてくれ」
「~~っ!」

 そこが限界で。
 もう一度近づいてきたその良い顔を私は両手で押しやっていた。

「もうダメです寝ます!」
「嘘だろう!」
「嘘じゃないです! おやすみなさい!」

 リューの腕からなんとか抜け出した私はシーツを頭から被り蹲るように横になった。

(もーー恥ずかしすぎる~~!!)

「コハル……」

 そんな情けない声が聞こえてきたけれど無視する。
 すると彼は諦めたように溜息を吐いてシーツの中に入ってきた。
 そして昨日のように後ろから抱きしめられる。

「おやすみ、コハル」
「……おやすみなさい」

 ぼそっと答えると彼が小さく笑うのがわかった。
 気恥ずかしさはどうしても拭えないけれど、昨日よりは眠れる気がした……。